11週での稽留流産 手術前日
気持ちの整理ができたようなできないようなまま翌日はやって来た。
もしかしたら誤診で、診てもらったら心臓動いてるかもしれない、そうどこかで思ってた。
出産予定の病院へ、こんな気持ちで訪れることになるとは。。残酷ささえ感じた。
産婦人科だから当たり前だけど、待合室には妊婦さんが沢山いる。
みんな順調にきていて、無事に出産を迎えられるんだろうな。
どうして私はダメだったんだろう。
そう・・思ってしまった。
母は私に、こうしておなかの大きな妊婦さんが視界に入ってくると辛いねと言った。
診察室に入り、
紹介状を読む先生
11週でダメだったかぁ・・
そう先生は呟き、診察が始まった。
エコーには昨日と同じ、
動いていない赤ちゃんが写し出された。
もしかしたら心臓動いているかもしれないという願いは、叶わなかった。
診察を終え、先生から手術内容を聞いた。
わたしの手術は、赤ちゃんと胎盤を子宮から掻き出す掻爬手術で子宮内容除去術というらしい。
12週を過ぎていたら赤ちゃんの死産届けを出さなければならないのだけれども、11週での流産となるので、術後は子宮内容除去物として処理をされます的なことも聞いた。
もしあと一週遅ければ自分たちできちんと天国へ送ることができたんだ、、
わたしのおなかの中で生きていたひとつの命は医療ゴミとして捨てられてしまうんだ、、と思ったらとても複雑だった。
でも、今思うと、きっと赤ちゃんが
これ以上大きくなってからだと、わたしがもっともっと深く傷ついてしまうから、きっと11週だったのだと思う。
手術についてだけど、私は明後日・・明日でも遅くでよければ構わないか、あなたの気持ちが大丈夫ならこちらはいつでも良いよ。
昨日内診を受けたことや気持ちの問題もあってか、昨夜は今までより多くの出血があった。
赤ちゃんが出てきてしまう大出血の可能性も聞いていたため、赤ちゃんを見てしまうのが本当に怖くて、一日でも早い日を、
明日でお願いします
と言っていた。
先生の診察のあと、
看護師さんから明日行なわれる手術内容について改めての説明や入院にあたって必要となる書類やもの等の話を聞いた。
その日の夜、
旦那の胸の中で、泣きながら正直な自分の気持ちを話した。
明日の手術が赤ちゃんとのお別れであり、辛くそして怖いこと。
明日、手術の前に診察したら心臓が動いているかもしれないとまだ思っていることも。
そう話したら、そんな気持ちじゃダメだよね、手術受けられないよねと言われてしまった。
母からは、今日が赤ちゃんとおなかの中で一緒に過ごせる最後の日だから、早めにゆっくり休みなさいと言われた。
その日の夜は、
明日にはお別れしなければならないこと
お顔を見てあげることができなくてごめんねということ
おなかの中からは居なくなってしまうけれどわたしはあなたのお母さんになれて嬉しかったこと
などを、おなかを撫でながら伝え、
そして
眠りについた。