ちゃーちゃんとるーちゃんず

ちゃーちゃんと姉妹のるーちゃんず、そして新入りの弟と旦那の5人暮らし

11週での稽留流産 手術 そして 不思議な体験

いよいよお別れの朝がやってきた。

 

病院へ行き、入院の手続きをする。

ほんの一泊二日の入院

 

まず初めに、妊娠中には絶対に撮ることはない、レントゲン撮影から始まった。

 

 

レントゲンを撮るなんて、、本当にもう赤ちゃんはダメでお別れなんだと改めて思った。

 

大きな病院だったので、

レントゲンはレントゲン室へ、血液を採取するのは採血室へと移動する。

採血をする看護師さんに、

5本くらい沢山採血をするからか、

若いのにどうしたの?と聞かれた。

 

稽留流産で・・

 

と伝えると、

 

今は、今 あなたにできることを しましょうね

私も昔、同じ経験をしたことがあるわ と言われました。

 

 

採血を終え、次は

子宮口を広げる薬を入れるため、診察室に入る。

いよいよ赤ちゃんを出す準備が始まる

 

エコーは見せてもらえなかったが、

やっぱり今日のエコーを違う先生が診ても心臓は動いていないんだと思った。

 

この時点でようやく私は、本当に変な僅かな希望を持つことをやめて、手術することと向き合った。

 

先生がエコーを確認後、子宮口を広げる薬を入れた。

 

 病室に戻り、手術が始まるまでの時間、横になっていた。

 

 午後、旦那のお母さんが来た。

談話室で皆と話をしていたら、看護師さんが迎えにきた。

 

いよいよだ。

 

がんばるからねと心の中でつぶやき、旦那と握手をして歩いて手術室へ向かった。

 

いくつ手術室があったのかな、5室だったか6室だったか。

一番奥の手術室まで歩き、入室。

手術室に入ると、昨日診察をしてくれた先生が手術服を着て待っていた。

先生の他に助手と麻酔医と思われる人が二人いて、合計三人がわたしの手術をしてくれる。

 

 

よろしくお願いします

 

手術室は意外と物がなく、がらんとした印象。

ドクターX 外科医 大門未知子のような手術室をイメージしていたのだけれども、上からのぞく部屋はなかった。

 

この台の上に横になってと言われ、台に乗る。

 

乗った台は、冷たいと思っていたのだけど、あたたかくてビックリして思わず、

あたたかいんですねと言ってしまった。

 

そうなんだ、あたたかいんだよと返答があった。

 

右腕を横たわっている台からとなりの台へ出すよう言われた。

指に酸素濃度を測る機械をつけ、

 

しばらくして、

先生から

今日あなたは何の手術をするのですか?

と聞かれた。

 

そんなことを聞かれるとは思っていなかったので、なんて残酷なんだと少し動揺しながら、

赤ちゃんを・・子宮から出す手術です

と答えた。

 

子宮内容除去術という手術ね

 

と言われ、では始めましょうとなった。

 

今、思えば、手術前に患者自身から自分がこれから行う手術について語らせることは、とても意味のあることだと思う。

しっかりと理解、納得、同意の上での手術であることを、再確認、最認識させることができるからだ。

 

 

これから麻酔をします

眠っている間に終わるからねと言われ

腕から麻酔が入れられた。

 

 

しばらく静かに様子がみられた。

 

わたしもいつ眠たくなるのかなと、しーんと静まりかえる手術室の壁を見ていた。

 

先生が、0.4足そうか(もう数値は覚えていないのだけど、確かこんな数値だったと思う)

 

はいっ

という会話。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

わたしはとってもあたたかくて心地のよい、金色や白色黄色に光輝くジェットコースターに乗っているようなものすごいスピードで進んでいるトンネルの中のような不思議な場所にいた

 

 

ものすごく幸せで、あたたかくて・・

 

 

 

 

 

ずっとこの場所にいたい・・

 

 

そう思った瞬間に

 

 

 

痛いよー!!と叫んでいた

トンネルは   もうなかった

 

 

 

 

 

次に聞こえてきたのは

辛かったね・・と看護師さんの声。

 

移動する台の音と振動を感じてきて

 

ヒクヒクものすごく泣いている状態で

意識が戻った。

 

病室に戻ってきている途中で

手術は終わっていた。

 

 

 

 

夜になって先生が病室に来た。

 

先生に、痛いよー!と叫んだ記憶があるのだけれど、、と話をしたら、

赤ちゃんを子宮から出す時に言っていたと言われた。

 

 

 

わたしの居たあの場所は、

おなかの中だったのかもしれない。

赤ちゃんの気持ちだったのかもしれない。

そう思った。

 

 

 

 

わたしの姉にこの話を後日したところ、

似たような話を昔、子供から聞いたと教えてもらった。

 

姉の子供がまだ小さい頃、

神様から行っておいでと言われて、

トンネルみたいな滑り台を滑ってお母さんのおなかにきたんだと言われたそうだ。

 

 

この不思議な体験をしてから、

科学では解明、説明することのできない

不思議なことが世の中には本当に起きるのかもしれないと思うようになった。

 

 

 

翌日、退院。

もう、おなかの中に赤ちゃんはいない。

 

 

 

数週間後、術後の経過を診るため再び病院を訪れた。

久しぶりに先生に会った。

 

内診をして、問題なく子宮は戻ってきていた。

子作りは3か月後からオッケーということだった。

 

そして、病理の結果を聞いた。

特に赤ちゃん側に問題はなかったということで、流産の原因は不明ということだった。

 

 

あとは大丈夫かな、と聞かれた。

 

わたしは先生に、

握手してもらってもいいですか?と頼んだ。

 

わたしの赤ちゃんを実際に見て、

触れた先生

 

時間軸は違うけれど

先生の手を介してわたしは赤ちゃんに触れたかった。

 

先生の手を両手で握り

ありがとうございました

と伝えた。

 

そして、次こそは

この先生に赤ちゃんが産まれるまで診てもらい

この病院で赤ちゃんを産むんだ

と、強く心に決めた。