ペットからの感染症で死亡者が出ていた みなさんにも知っておいて欲しいこと
ペットを飼っている人はみな、ペットを「ペット」としてではなく「家族の一員」として一緒に暮らしていると思うので、ペットを我が子のようにかわいがっていることと思います。
■ペットは家族の一員だけれども
ペットは家族の一員なのだけれども、
ペットとの濃厚接触・濃厚なふれあい
これだけは、少しだけ考えてもらいたい。
◎濃厚接触・濃厚なふれあいとは
- 口をなめさせる
- 口移しで食べ物を与える
- 同じスプーンや箸のまま食べ物を与える
- キスをする など
高齢者や免疫力の低下している人は、ペットから菌をもらってしまい、発症してしまうことがあります。
ペットから人に移る病気は日本では約30種類あります。
そしてつい先日、コリネバクテリウム・ウルセランス感染症によって死亡した60代の女性がいたことが国内ではじめて確認されました。
わかりやすく言うと、
動物が持っていた病原菌が人間に感染し、その菌によって呼吸困難を起こして死亡した60代の女性がいたことが国内ではじめて確認されたのです。
亡くなられた女性は、3匹の野良猫に餌をあげていたことから、次のようなことが推測されます。
- 猫が病気にかかっていて目やにや鼻水、くしゃみが出ていた
- 猫からくしゃみのしぶきを浴びた
- 目やにや鼻水のついている猫の体をなでた
- 猫に手などをなめられた
- 猫にひっかかれた
- 猫との接触のあと、手洗いがきちんとできていなかった
飼っているのは猫じゃないから、うちはペットショップで買った子だから大丈夫と思った方
女性の感染した菌は、哺乳類の動物が持っています。つまり猫だけでなく犬も持っています。
ペットショップで買った子でも、菌をもともと持っていることはあります。
ペットが元気な時は菌を持っていてもあまり害がなく発症しませんが、体調を崩し免疫力が落ちた時などに症状が出てきます。
室内で飼っているから、風邪ひかないから大丈夫と思った方
犬や猫は人間と違って、よくグルーミングという毛繕いをします。
犬も猫も体をなめて、お手入れします。
猫は犬よりも念入りに全身をペロペロペロペロなめます。
その様子をみていれば気づくかな。
犬ならさらに、お散歩に行ったらお散歩中に出会った気のあう犬とお互いに匂いをかぎあったり、おしりをクンクンかぎあってなめたりします。
その様子をみていればこれまた気づくかな。
気がついて欲しい。
そう、犬や猫は、ペロペロするとき、
うんちやおしっこを出すおしりの穴もなめています。
その舌で、あなたの顔や口、手をなめています。
人間もそうですが、腸内にはたくさんの菌が生きています。
うんちにもたくさんの菌がいます。
目にはみえない菌ってものすごくたくさんいます。
鼻水や唾液からも感染症は移ります。
ペットが体調を崩したり免疫力が低下した時に、あなたが感染してしまうかもしれません。
決してペットからの愛情表現の全てを拒否してとかペットを否定するとかそういうことではありません。
ペットは家族の一員なのだけれども、わたしたちと同じ人間ではないのです。
口をなめさせる、口移しで食べ物を与える、キスをするなどの過剰な触れ合いは控え、さわったあとは手を洗っていただきたい。
口をなめさせることが日常になっている方はせめて、せめてでも、口をなめさせるのではなくほっぺたをなめさせるまでにして、ペットからの愛情表現をしっかりと受け止めたあとになめられた場所を洗い流すようにしてみてはいかがでしょう。
また、ペットの具合がよくなく、風邪かなという時は早めに動物病院へ連れて行ってあげましょう。
人間と同じように、感染症の場合は効果のある抗生物質が用意されているためです。
といった、ペットから感染してしまう病気もあるというリスクを知った上でのふれあい、ペットとの暮らし方の提案でした。